シフトワークは睡眠障害をはじめとする健康リスク、安全リスクが生じます

昼夜逆転の生活は心身に悪影響

勤務時間帯が一定期間ごとに変わり勤務形態をシフトワーク(交代制勤務)といいますが、大きく分けると「三交代制」と「二交代制」があります。

まずは三交代制を見てみましょう。通常一勤務の長さは8時間となっており、勤務の開始時国によって日勤、準夜勤、夜勤に分類されます。勤務時間帯が循環する方向には、遅い時間にずれていく正循環(日勤→準夜勤→夜勤)と、その逆の逆循環(夜勤→準夜勤→日勤)などがあります。

続いては二交代制です。一勤務の長さを均等に12時間とする場合と、看護師に代表される医療職のように夜勤の時間を長くする場合(変則ニ交代制)があります。三交代制に比べて、位置勤務の時間は長くなるものの勤務日数が少ないので、休日が続くというメリットがあります。

三交代制にしても二交代制にしても、サーカディアンリズム(約1日を周期とする生体リズム)に逆行する形で生活しますので、睡眠障害をはじめとするさまざまな症状が現れることがあります。

睡眠障害以外では、高血圧、糖尿病、消化性潰瘍、虚血性心疾患などのリスクが高くなるというデータがあります。さらに女性では乳がんの発症リスクも増加します。夜勤時間が極端に多い看護師に流産・早産の割合が多いことから、その関係も指摘されています。

シフトワークではこれら健康リスクだけでなく、労働者の作業効率が低下し、事故が起こりやすくなるという安全リスクもあります。午前1時から6時は最も事故が起こりやすい時間帯となっています。夜勤が連続すると、それに比例して睡眠不足も蓄積することから、事故のリスクは更に高まります。

深夜業(午後10時〜午前5時の時間帯にかかる業務)の従事者に対して、特定業務事業者の健康診断を半年に一度実施しなければなりません。健康診断では、高血圧や糖尿病、睡眠障害など、シフトワークによって発症・増悪する健康障害の状態を確認します。問題が認められれば、保健指導や治療、業務上の措置などの事後措置を行う必要があります。

特に脳血管疾患、虚血性心疾患、コントロールが十分でない糖尿病や高血圧、治療中のうつ病がある労働者の場合は、常日勤への配置転換を含めた業務上の措置が必要となります。

ただし配慮が一時的な場合は労働者の健康を就業に優先させることは問題ありませんが、長期間過剰な配慮をすると、職業生活を含めてさまざまな影響が大きくなります。そのため産業医が配慮内容を決定する際には、労働者本人や家族、上司、人事などの関係者と話し合いを十分に持つことが求められます。

シフトワークへの対応は、企業にとって健康・安全上だけではなく、生産上も重要となります。その支援のために産業医の果たす役割も非常に大きくなっています。