職場巡視では労働衛生の現状評価や健康リスクの評価を行います

業務上の問題点を探ります

産業医の業務は職場巡視に始まり、職場巡視で終わると言われています。その理由は、@職場や底で働く人を知り、A職場の現状を評価し、B諸活動のプランを練り、C構築した人間関係をベースに様々な活動を行い、Dその活動結果の評価を次回の職場巡視で行うからです。

職場巡業の異議を高めるために産業医が留意すべきなのは、巡視後の措置の有効性です。職場巡視で問題・課題が発見されても、それらが事業者に伝えられ、適切な対応が取られなければ、巡視の意味がありません。もし、巡視後の事後措置が十分に機能していないのであれば、事業者や衛生管理者と問題点について協議し改善する必要があります。

次に職場巡視の有効性を高めるポイントを見てみましょう。定例で行われる巡視では、巡視の継続的かつ計画的な実施が重要です。ある月の巡視で見つけた課題は、以後の巡視で尾sの経過を観察し、確実な改善とその継続を確認することで、巡視の意義が高まります。

また、各回の巡視時の視点を明確にすることも大切です。例えば、健康障害予防の視点からの巡視、特定の目的(作業改善、作業環境改善など)を持った巡視は、テーマを決めないで行う巡視とは異なる問題・課題を発見できるきっかけとなるかもしれません。

一方で、職場巡視にかかわる現実的制約を考えると、嘱託産業医の場合、職場巡視は決まった時間(木曜日の午後など)になりがちです。訪問時間帯の観察から、業務の全体像を把握し、問題点を探り出してか対応するためには、主業務・定常業務だけでなく、浮体業務や臨時作業、補修作業なども考慮することが大切です。

産業保健活動全体の中で職場巡視を有効に活用するためには、他の諸活動との連携(適正配置、作業環境管理、健康診断・事後措置、衛生教育など)も必要です。

例えば、巡視時に就業制限者(残業禁止や重量物取り扱い制限など)の職場での状況を確認し、その作業内容や必要な健康面での要件を確認することができれば、巡視の意味が高まりますし、そのような視点で職場を見ることは、就業配置や配転職場(曲馬復帰時の復帰先)を選択するためにも重要です。

また、このような視点は、職場巡視中に作業環境測定が必要な場所をチェックすることにつながります。同じ意味で、特殊健康診断についても結果の有効活用に加え、今後の対象職場・対象者の確認においては巡視は大きな意味を持ちます。

まとめると、職場巡視の有効活用には、巡視時の労働衛生の現状評価や健康リスクの評価だけでなく、産業保健活動全体の評価を心がけることと、巡視後の各種措置が確実に実施されるように確認を行い、必要な改善・フィードバックを行うこと、産業保健の諸活動と職場巡視の連携を意識し、相乗作用を引き出すことが重要となります。