熱中症死亡者の多くは炎天下で屋外作業する建設作業に従事

例年の猛暑の影響を受け、熱中症による労災死亡事故の件数は増加しており、近年は20名を超えています。その多くは炎天下の日中に長時間の屋外作業を行う建設業の作業員となっています。

これを受け厚生労働省は、これまでの通達を廃止して、新たに「職場における熱中症の予防について」を出しました。その内容は、WBGT値(暑さ指数)を活用して、熱中症のリスク評価を行い、そのうえで、作業環境管理、作業管理、健康管理などを行うことを指導しています。

まず、職場における熱中症の発症リスクがどれくらいなのかを把握するため、WBGT値を測定することからはじめましょう。近年はWBGTを自動的にデジタル表示する計測器が安価で購入できますので、その活用が一番便利ですが、以下の式で算出することも可能です。

屋内の場合および野外で太陽照射のない場合
WBGT値=0.7×自然湿球温度+0.3×黒球温度

屋外で太陽照射がある場合
WBGT値=0.7×自然湿球温度+0.2×黒球温度+0.1×乾球湿度

そのうえで、衣類の組み合わせで補正を行ない、作業強度、順化状況、気流の有無の判断を加えて、下の基準値と比較します。この基準値を超える場合には注意が必要です。

WBGT値

基本となるのはWBGT値の低減の努力です。しかし、野外作業現場でも作業場に簡易な屋根を設けるなどの対策はありますが、電気設備保守点検のように1日で多くの作業場に移動する場合は、困難となります。

そこで、産業医は休憩時間の確実な取得や水分等の摂取など、作業管理対策を中心に指導することになります。また、新たに屋外作業を始める作業員がいる場合には、暑熱への順化のために段階的に作業時間を増やしていくことも大切です。

水分および塩分の摂取は、本人の自覚症状の有無に関係なく、作業前後、作業中に定期的に摂取するように指導します。WVGT値が基準値を超えるような状況では、少なくとも、0.1〜0.2%の食塩水またはナトリウム40〜80mg/100mlのスポーツドリンクを、20〜30分毎にコップ1〜2杯程度補給することが望ましいとされています。

一方、健康管理面では、糖尿病、高血圧症、心疾患、腎不全等の熱中症の発症に影響があることが一般定期健康診断でわかっている場合には、程度に応じて就業上の措置を検討します。