健康診断の実施と事後措置は産業医が中核的な働きを担っています

検査結果を判定する

産業医の職務は健康管理、作業管理、作業環境管理の労働衛生の3管理にくわえて、労働衛生教育、そして、総合的に労働衛生を管理する総括管理を含めて、5管理と分類されています。

観光管理は労働の担い手である「人」の対策、作用管理は「作業」そのものの対策、作業環境管理は、作業の「場」の対策と考えると理解しやすいでしょう。そして、環境管理の中核を担うのが健康診断です。

健康診断の第一の目的は病気のスクリーニングであり、早期発見・早期治療につなげることです。そのためにはエビデンスに基づいた健診を実施(血液生化学検査、肝機能検査、血圧、心電図ほか)することが重要となります。また、労働者の健康状態を把握したうえで、保健指導により病気の一時予防や健康増進活動につなげることも大切です。

健康面から労働者の職務適性を考え、就業場所、作業内容、労働時間、深夜勤務などについて措置を講じなくてはなりません。職域における健康管理指標の経時的モニタリングや職場単位のサーベイランスシステムを構築して集団評価を行うことにより、職域における健康障害の要因を発見する機会にもなります。

健康診断の実施については、実施組織、事業所ごとに差異はありますが、医学的知見を持ち、作業環境を把握している産業医が実施、あるいは事後措置の決定について中心的な役割を果たすのが理想です。

労働安全衛生法第66条では、健康診断の結果、検診項目になんらかの異常が認められた労働者に対し、医師の意見を聴いたうえで、必要があると認められた場合には、就業場所や作業内容の変国、労働時間の短縮などの措置を講じなければならない、としています。

健康診断の判定は、産業医が行わなければならないと規定されてはいませんが、産業医が行うか、産業医の責任で行っている事業所が多いです。その判定結果が事後措置の対象者や指示内容を決定するので、産業医は極めて重要な位置を占めていることになります。

健康管理上の判定は、検査結果に基づいて、再検査または精密検査の必要性の有無、医師、保健師による保健指導の必要性などについて産業医または医師が判断します。

就業上の措置に関する判定は、産業医は通常勤務、要休業、労働時間の短縮、時間外労働の制限、深夜業務の制限、作業の転換などについて意見を加えます。

ただし、産業医が就業上の措置について意見を伝える場合、健康診断の結果の判定時に意見を伝えるケースは少なく、労働者が休業し主治医による診断書が提出された後、あるいは職場より就業上の障害が生じた後がほとんどです。

健康診断の結果のみで就業区分を判定することは困難であるため、健康診断の結果に基づいて、産業医が面接を行った上で判断することが望ましいとされています。